○香りゼラニウム・ミモザの鮮やかさ 今年は日々の寒暖差が激しいのが、紅葉にはケガの功名。
樹種による紅葉の速度の違いが顕著になって、緑、赤、黄色、茶色と葉色のバラエティに富んだ風景が楽しめるそうですね。
ここ屋上菜園でも、少し前から住民たちが秋の装いを競っています。
そこで、屋上菜園菜園09秋冬オートクチュール・コレクションの始まり始まり〜。
トップバッターは、香りゼラニウム・ミモザ。
濃厚な朱色が、菜園でもダントツの注目度を誇るコスチュームで登場です。
葉が肉厚で表面がふわっとしており、フェルトのような触感が魅力。
しかも、ボディラインに見事に沿った美しいシルエットをご覧あれ。
要所にステッチ(?)も施した、贅沢な仕上がりのコートになりました。
そして、葉っぱ全員が一斉に同じ恰好をするなぞという野暮なことをしないのが、このミモザのいいところ。

周囲の緑の葉はどこまでも緑色に徹し、朱色のコスチュームをうまく引き立てているのですね。
だから、遠くからでもこの朱色が非常に冴え、菜園全体の中でも際立ちます。
「この赤は見事よねえ」とは、臨時服飾評論家、おトキさんの評。
ミモザは紅葉のプロセスも必見。
左の葉のように、外郭からゆっくりと着替えをしていきます。
その過程のコントラストの美しさ。
秋冬コレクションの期間中ずっと、見る者の目をそらさぬ工夫に、
毎年のことながら、感心させられます。
「ミモザ」なんてフランス名前をもらっているだけのことはありますね。

葉の裏側はこんな感じ。
葉脈がひときわ赤いのが目に留まりました。
裏にも気配り。
にくい演出ですねえ。
ところで。
ミモザの暖かそうな朱色は、最初のうちはかすかにですが黄色味を含んでいます。
しかし、やがて濃厚な色へ、そして、赤へと変わっていきます。
そして、その赤色が臙脂色に落ち着くと、休む間もなく今度は外郭からゆっくり灰色がかって縮れてくるのです。
ゆっくり、静かに、しかし絶え間なく、ミモザの葉の色は変化し続け、そしてついにある日、地面に身を横たえる。
茶色くなるまで頑張って茎に残っている葉もあるけれど、まだ赤いうちに落ちてしまうものも少なくありません。
赤いまま散った葉の多くは、背を上にして地面に伏しており、そこにも何やら美学が垣間見られるような・・・。
(イメージ膨らませすぎか)
ミモザの葉は、秋にはすべからく赤くなるものと思っていたのですが、部屋で水栽培しているミモザはちっとも赤らみません。
緑の葉の下の方から淡いピンク系の薄茶色がせり上がるようにして葉を浸食、そのまま枯れてゆきます。
紅葉には日光と気温が密接にかかわっていると言います。
水栽培のミモザも一応は日当たり良い窓辺に置いているのですが、室温がさほど低くないので、赤くならないのでしょうかね。
○紅葉色の宝庫、コナラ デリケートな色彩センスを披露するのは、コナラ。
秋の葉のこの多様にして繊細な色遣いは、ニットの王者、ミッソーニでも真似できないのでは?
夏の間、黄緑をやや白濁させたような優しい色合いをしているコナラの葉は、秋の黄色へと変わっていく、その変りかたも穏やかで、ミモザが変化の途中に強烈なコントラストを見せるのとは対照的です。
また、葉の外郭から色変わりしていく点ではミモザと同様ですが、コナラの場合はご覧のように、葉先から葉柄に向かって、葉脈の階段を1段ずつ上っていくようにして色づいていきます。
黄はオレンジ系の温かみのある色。
ただし、葉1枚がすっかり色づくと、今度は寒色系の黄色へと変わっていくのです。
そして、次に淡い黄土色、グレーがかった淡い茶色へ。
一見、地味ながら、お色直しの回数はミモザより頻繁で、毎日、微妙に違う衣装でお目見えしてくれるので、キッタンのお気に入りの秋冬コレクションのひとつです。
(ついでにいうと、春もいいんですよ。白銀の柔らかい産毛をいっぱいにまとった若葉の愛らしいこと、気高いこと)
余談ながら、こうして毎日見ていると、コナラの枯色は、コナラなりの”人生”があってこそ生まれるのだとつくづく思いますね。
ミモザの深い枯色はコナラには出せないけれど、その代り、ミモザがどんなに望んでも、コナラの枯色に染まることはできないわけです。
コナラの優しい茶色は、コナラならではの黄緑、暖かい黄色という時代を経て可能になるのですから。
老いとは、それぞれの人生の結果であり、集大成にちがいなく。
そう考えると、わが身の枯れ葉色を想像して怖くなりますねえ。
○桜は来年の準備も万端 桜というと、春のコレクションにばかり人気が集まりますが、秋のモードもセンスがありますよ。
やはり、オレンジがかった温かみのある黄色。
コナラに比べると葉たちの衣替えの足並みがそろっていて、みながほぼ一斉に色づき、黄の濃さでそれぞれの存在を主張しています。
桜葉の色づきは先週になって急激に進みました。
土日には日が射していたせいか、1日のうちに刻々と色が変わっていったような気がします。
そして、ご覧のように早くも次世代が生まれています。
ファッション・センスに加え、人生設計も着実なのですねえ、桜は。
○これ、なーんだ
光の加減で青紫にも赤紫にも見えるこの葉、何だと思いますか?
答えはアジサイ。
秋冬の葉っぱのモードカラーとしては、ユニークな部類に入るかもしれません。
もっとも、今日の曇り空の下では、いっぱしに茶色っぽく見えていますが。

ご覧のように、葉が重なって日の当たらない部分は相変わらず鮮やかな緑色。
アジサイの秋冬コレクションのポイントは、外見は地味にし、裏地で派手に遊ぶ、そんな江戸っ子のような粋な着こなしが特徴でしょう。

しかもですよ、冬に向かって、たいていの植物は栄養を内部に温存しようとするのに、アジサイは今もって次々と新芽を出しているのだから、なんと精力的であることか。
葉の1枚1枚も生命力がありまして、夏からこっち、なかなか枯れないし、枯れてもなかなか落葉しません。
菜園の住民の中では、隠れマッチョと呼んでもいいかも(見た目もけっこうマッチョか)。
○四葉クローバーも色変わり 1つ1つのの生命は短いけれど、ローテーションよく、次々に出てくるグループ志向のファッション・リーダーは、こちら、四葉のクローバーです。

秋になるとめっきりパワーが落ち、いくつかの小プランターでは早くも興行終了。
さっさと球根の中にこもってしまっている輩もいますが、「まだまだ、がんばれるわよ」とばかり、こうして色変わりして目を楽しませてくれる芸人肌もおりまして。
葉だけでなく、茎も赤く変わります。
○ブルーベリーはひたすら赤く コレクションに登場させたい住民はたくさんいます。
しかし、時間と腹具合の関係もあり(キッタンのランチタイム)、これでトリといたしましょう。
ラストを飾るのはブルーベリーです。
ファッションショーではマリエ(ウェディングドレス)、つまりホワイトがトリを取るのが定番ですが、わが菜園では赤に始まり、赤で終えることにいたします。
(誰ですか、オーナーたちの「赤貧」を象徴しているんじゃないか、なんて深読みをしているのは)

中央の鮮やかな赤い葉が目を引きますね。
これは若葉。
ブルーベリーの若葉は赤い色で出てきます。
春夏には、大人になるにつれてたくましい青緑になっていくのですが、夏の終わりごろから出てくる若葉が緑色に変わることはほとんどありません。
色合いこそ大人じみて落ち着いていくものの、どういうわけかずうっと赤いままなのです。
けれど、この赤は、菜園から少しずつ鮮やかな色が消えていく中にあってはありがたい彩り。
寒々しい日でも、この赤があるだけで、菜園の雰囲気がずいぶんと明るく感じられるものです。
おまけは東京スカイツリー。
11月20日現在で215メートルとのことですから、今日現在はもっと伸びているのでしょうね。
では、これはどこで撮影したのでしょう?
分かるかな。
最近は、業平橋のたもとだとか、源森橋辺りで撮影する人が増えているので、ちょっと目先を変えてみました。
もちろん、区内ですよ。