2009年09月11日

ついに成人病?高血圧症騒ぎ

○老化、真っ盛り?

 本日も、どうでもよい話を一席。

 かれこれ3週間前になりますか、キッタン、ン十年ぶりに健康診断なるものを受けまして。

 区が行っている無料検診(正式には健康診査。40歳以上)で、これまでも毎年のように受診票が届いていたんですが、忙しかったり面倒だったりで放りっぱなし。
 怪我で病院通いをすることはあっても、病気らしい病気、とくに内臓系で医者のご厄介になったことは、盲腸以外ではほぼ無いといった、ある意味、強靭(鈍感?)な肉体を誇るキッタンとしては、これまでは健康診断なぞ必要ないと、思っていたわけなのでした。

 しかし、初夏から夏にかけて、バタバタと怪我続き。
 さらには飛び火などといいうありがたくない皮膚病に取りつかれ、立て続けにお医者さんの厄介に。


 それに、50歳の声を聞いてから、いえ、その少し前あたりから、心身のあちこちに不具合が出始めているのは、身をもって感じておりました。
 酒にはめっきり弱くなっっちゃったし、朝から晩まで腰痛にさいなまれることしばしばだし、食欲――これは衰えるどころか、さらに高まっているけれど、脂っこいものを食べた後は、やっぱりたまに胃もたれがするようになったしなあ。
 
 集中力は極端に落ちたし、注意力は散漫だし、記憶力もあきれるほどの低下ぶりで、つい数日前に読んだ小説のタイトルもケロリと忘れてしまうほど(もっとも、面白くなかったからではありますが)。
 老眼は進んだし、そのせいで、最近では活字を追うのがめっきり遅くなっちゃって、結局、「読むのやーめた」なんてときもある。
 活字の虫を自認していたとは思えない活字離れぶりです。

 さらに、更年期障害なんてのもだいぶ前から出ているようで。
 地下鉄に乗れば、皆が涼しい顔しているというのに、キッタンだけは滝のような汗をかくことしょっちゅう(ときにポタポタと額から汗が滴り落ち、若い男性から怪訝層に見られることも)。
 はにかんだり恥ずかしがったりしているわけでもないのにポッポと顔が火照るので、風邪でも引いたか知らんと慌てて熱を測れば、これが36度以下だったりして。

 と、くだくだ書き連ねましたが、ともかく、挙げればきりのない細かい不調に、さすがのキッタンも、やはり一度は自分の体にどの程度ガタが来ているか知っておくのも悪くないかもと、いつになく殊勝なことを考えました。
 ま、おトキさんに、「あんたの介護なんかイヤですからね。自分の面倒は自分で見てちょうだい」なんて、日ごろから言われているのも理由ですが。


○いきなり「高血圧症」の宣告!

 前ふりが長くなりましたが、そんなわけで、受診票をもって、皮膚科でお世話になった区内の病院へ。
 夏の暑い朝ではありましたが、チャリンコを20分ぐらいぶっ飛ばして
行きました。

 問診、身長体重測定、レントゲン、お小水採取。
 お次は受付近くの一角で血圧測定です。
 デジタルではなく昔ながらの聴診器タイプで、年配の看護婦さんがキッタンの腕に腕態を撒くと、ポンプでスポスポ空気を送って加圧し、それから測定を始めます。と、突然、
 「あなた! 高血圧症って言われたことは?」
 と、血相を変え、声をあげました。
 「いやあ、ありませんけどぉ」
 のんびりと答えますと、
 「何か、クスリ飲んでいるんじゃないでしょうね!」
  と、またまた切羽詰ったかのような声。
 「飲んでませんよぉ」
 キッタンは何の事やらわからずに、相変わらずのほほんと返事をしました。すると、
 「血圧が高いの。160近くありますよ!」
 とまるで悪性の病でも発見してしまったかのような口調です。
 そして一瞬絶句、それから「でも、あれね。中でもう一度、先生に測っていただいて。それで、ね」
 とキッタンにというより、むしろ彼女自身に言い聞かせるかのような口ぶりではありませんか。

 大袈裟なって?
 いえ、本当に看護婦さんは衝撃を受けていたようでした。
 そして、彼女がそうであったがゆえに、キッタンも衝撃を受けてしまったのでした。
 私の年齢で160。これは、大変なことに違いない、と。

 それでもまだ、多少は高をくくっておりました。
 
 さて、内科で名前を呼ばれ、診察室に入ると、件の看護婦さんが医師の後ろに控えており、「この方、上が160もあって」と”告げ口”するのです。
 それを聞いた医師は当然、「むむむ。高いね」
 でも、念のためにとこの先生がキッタンの両腕で測ったると、どちらも130の82でした。
 なーんだ、そんなに騒ぐことじゃないじゃない。 
 と、キッタンはひと安心したのですが、意外にもこの医師は「高血圧、きてるね」と言うではありませんか。
 チャリンコで爆走したことを話すと、それが160に上がった理由であろうと先生は診断しましたが、「それにしても160は高すぎる」というわけです。
 そうして、腕を出せというのでキッタンが腕を差し出すと、右の肘のそばの、ひくひくと動くのが見える血管を示して、「ほら、これは動脈硬化の始まっている証拠。血管が硬くなってきてるから、こうして脈打つのが見えちゃうんだよ。ここまで見えると、要注意だよ」
 
 ええ? 要注意?
 それまでは、たかだか1回こっきり160が出たからって、あたふたするなよぉ、なんて暢気に構えていたのキッタンも、さすがに、どっきり、ぎくり。

 思い起こせば、母方の祖母、母がともに高血圧症です。そんな話をすれば先生はますます納得した様子で、「もう、危ないよ。薬を飲んだほうがいいよ」などとおっしゃる。
「僕もあなたとほぼ同年代だけどね。薬、飲んでます。転ばぬ先の杖。あなたも飲んだほうがいいかもしれないよ」と言われては、愕然といたしました。

 「ともかく、薬を飲んだほうがいいかもしれない。まずは血圧計を買って毎日測ること。2週間後に結果を聞きに来て」

 そうして診察室を出たキッタンは、そのあと、皮膚科で飛び火の治療を受けたのですが、もはや心ここにあらずの状態。
 帰りはチャリンコをぶっ飛ばして漕ぐ元気もなく、とろとろとペダルを踏んで家路についたのでありまして。

 それにしても晴天の霹靂とはこのことです。
 キッタン、若いころはむしろ低血圧気味。
 ですから、ほかの病気はまだしも、よもや高血圧で引っかかるとは夢にも思っていなかったのですね。
 


○なんと白内障まで

 もうひとつ、ショックなことがありました。
 眼底検査もしたほうがよいということになり、帰宅して昼食を取ってから最寄の眼科へ。
 ここでは内臓、脳神経系の症状はないとの診断でしたが、何と、白内障の初期と診断されてしまったのです。

 「ときどき、まぶしくてたまらないことなかった?」
 「あります」
 「左の目が見えにくいってことは?」
 「あります」
 「白内障の初期ですよ。とくに左」
 そして、眼球の黒眼の部分を撮影した写真をコンピュータで見せてくれました。
 なるほど、淡い雲のようなものが黒眼にかかっています。
 そして、先生の指摘通り、左目のほうがやや雲が濃い。

 言われてみればたしかにここ1,2年で左の見え方が悪くなっていました。
 近視が進んだのか、それとも老眼のせいかと思っていたのですが、なんと、白内障とは。
 老ママリンいわく「あたしだって70歳を過ぎてから、ちょっとその気がありますって言われたのに、あんた、そのトシで?」

 そう。50代での発症率は50%だそうで、2分の1の確率という大ばくちが、幸運に関しては外れるくせに、よりにもよってこういう症状で当たっちゃうとはねえ。


○戦々恐々の2週間

 白内障のほうは、今から点眼薬を使っていけば進行を遅らせることができるとのこと。
 ホッといたしました。

 しかし、高血圧に関しては悪い考えばかりがふつふつと浮かんでまいりました。
 キッタンの脳裏をまずよぎったのは、亡き母方の祖母。
 酒も飲まなければ煙草も吸わない、健全な食生活であったはずのこの祖母は、しかし極度の高血圧で、かなり若い頃から服薬を続けておりまして。1
 家に遊びに来ても、1日分しか薬を持っていないと、泊まる予定を取りやめてそそくさと帰って行ったようなことがありました。
 薬を飲む暮らしを今から始めなければならないとすると、今後死ぬまでずっと、祖母のような不自由を味わい続けることになるのか。
 そう考えただけで気が滅入ります。

 痛風の知り合いのことも脳裏をよぎりました。
 食事制限をし、尿酸をできるだけ体外に排出すべく朝から晩まで何リットルもの水分を取っていた彼ですが「動脈硬化がはじまっていて、参った」とぼやいていましたっけ。

 そういや、キッタンも、何となく足裏が痛くなるときがある。
 おトキさんの素人診断では痛風(通常、親指の裏が痛くなって足がつけなくなるとか)ではなく、「どこからどう見ても外反母趾が原因に決まってるでしょ」というわけで、キッタンも納得はしていたのですが、高血圧、動脈硬化、などという単語が頭の中に入り込むと、もしや私も、なんて疑心暗鬼になってしまいます。

 いやいや、そればかりではありません。
 最近、めっきり弱くなったアルコール。
 トシのせいではなくて、もしや肝硬変でも始まっているんじゃないかしら。
 ちょくちょく起こる強烈な頭痛は、極度の高血圧のせいかもしれない。
 めまいが起きるのも、母方の叔母が糖尿病だから、それが遺伝しているのかも。

 そんな具合に、疑おうと思えばいくらでも、病を彷彿させる体の不調が思い当たります。
 キッタンには珍しく、食欲も落ち気味。
 食べればイヤな胃もたれがして、胃潰瘍の心配までする始末で、まるで、一気に万病がキッタンの身を襲ったかのようでした。

 さらに。
 1週間目に血圧計を購入したキッタンは、朝昼晩だけでなく、仕事の最中、風呂上がり、外出から帰った直後など、ありとあらゆる機会に血圧を測定しては、ああ、135もあった、127だったと一喜一憂。
 
 心配が高じて知り合いの編集者さんに話したところ、彼は何と20代後半で高血圧の診断をされたとか。
 「大丈夫ですよ、僕なんか、ちょっと根を詰めると150ぐらいあがっちゃいますから」
 その言葉に多少は勇気づけられながら、しかし、一抹どころかたっぷりと押し寄せる不安の波は、どうしてもぬぐい去ることができませんで。
 
 そして、外気が30度を超えたある暑い日に、とうとう具合が悪くなって寝込んでしまったのでした。

 やっぱりそうか。
 病というものは、出るときには出るものなんだな。
 これまで怪我で医者通いはしても、病気ではお世話にならないと豪語していた私も、ついに年貢の納め時か。
 すでに、気分的にはすっかり重病人になってしまったキッタンなのでした。


○アンビリーバブルな結論

 いよいよ、運命の日、恐怖の2週間目がやって参りました。
 キッタン、あんがい肝が据わっておりました。
 世の中にはいろいろな病を抱えながら、強く元気に生きている人がたくさんいる。
 高血圧ぐらいなんだ。
 薬ぐらいなんだ。
 それ以上の病気の宣告をされたからってなんだ。
 と、妙に落ち着いた心持になったわけです。

 そうは言っても、ことさら悪い結果を引きずりたくはありませんから、この日は自転車でなく私鉄に乗って、しずしずと病院へ。

 午前中に片づけなければならない仕事があって、午前中も遅い時間に行ったのがいけなかったようで、すでに待合室は込み合っており、待つこと30分を超えていたでしょうか。

 じりじりとした不安と、妙に達観した気分とが入り混じり、けれど落ち着きが優勢を占めていた頃、やっと名前が呼ばれました。
 おそるおそる診察室へ入っていきますと、前回、かなりのハイテンションで「高血圧」を連呼していた先生が、今日はなんだか物静か。
 んん?
 私、そんなに悪いのかしら。

 正面にキッタンの心臓のレントゲン写真がありました。
 「これ、あなたの心臓」
 そしてこの先生、PC画面に心臓のモデル図を出して、「ここが右心房。あなたのレントゲン写真だと、ここですね」とやおら説明を始めたのでした。
 そんなに丁寧に解説するってことは、心臓が悪いってことか。
 そういえば、父親は不整脈だし、母親は2回ぐらい、胸が痛いって大騒ぎしたことがあったしなあ。
 
 ところが、先生によれば「肥大もないし、異常ありません」
 なんだよ、だったらさっさと飛ばして先に行ってよ、と言いたいのを我慢して、先生の診断結果を拝聴。

 肝臓、異常なし。
 糖尿の心配なし。
 痛風関係も大丈夫。
 メタボなし。
 コレステロール、異常なし。
 そして「善玉が高いんだよねえ。だからなのかなあ」と呟くように。
 つまるところ、高血圧も予備軍段階で、注意は必要だけれど薬を飲むほどではないそうです。
 そして、冬は血圧が上がりやすいので、それまで服薬せず様子をみましょうということになりました。
 この先生、お薬が好きなのか、「冬だけ飲むって手もあります」
 そして、運動をすること、塩分を控えることを注意されました。
 「じゃあ、基本的にはどこも問題ないっておことですね?」
 キッタンがほっとしてそう訊ねましたら、この先生、
 「内科的にはね。でも、人間の寿命はどこでどうなるか分かりませんよ。明日、交通事故に遭うことだってあるんだから」

 かくして無事に生き延びたキッタンは、その夜、高血圧気味の編集者と打ち合わせを兼ねてちょいと一杯・・・のはずが、お銚子が次々と倒れ、すっかり酩酊して帰宅した次第です。

 翌朝(昼)の血圧は130ぐらいでした。

 
 

  

 
 
 
 


 
 



 
posted by ゆのじ at 12:21| Comment(0) | TrackBack(0) | おしゃべり雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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