「黒の器」展の案内届く
今週末からはシルバーウィークだそうで。
そのシルバーウィークのはじめに作品展を開くとのお知らせが、稲吉オサム氏から届きました。
オサム氏よりはオサム君と言ったほうがしっくり来る、ユニークな青年陶芸家です。
うーん、行きたいけど愛知県はちと遠いなあ。
それに、この連休は新潟や栃木に取材が入っちゃってるしなあ。
そんなわけで、取り急ぎ、告知のお手伝いはさせていただこうと、ただいまブログを書いている次第です。
○黒の器 稲吉オサム展
期間:9月19日(土)〜27日(日)
場所:〒442-0823
愛知県豊川市正岡町胡麻田726
ligne roset toyokawa リーン・ロゼ トヨカワ
時間:10:00〜19:00(期間中無休)
TEL:0533-80-2345
もし、お近くまでお出かけになる方がいらっしゃったら、ぜひ足をお運びくださいまし。
○そもそもの馴れ初めは・・・
ところで、ちょっとだけ時間があるので、稲吉オサム君との馴れ初めを少々(って、長いよ)。
5月の末、愛知県にあるT工務店さんの取材に行きました。
最近は、木の家だとか、自然素材の家だとか言いながら、いったいどこの国の木を使ってるんだよ、とか、防腐剤に化学薬品を使用しておきながら自然素材もないもんだろう、などと突っ込みを入れたくなるハウスメーカーも少なくないようですが、T工務店さんは地元の山で取れる杉や檜の無垢材を使って、昔ながらの木組みで家を建てています。
木組みって何?
無垢材ってホントはどうあるものなの?
みたいな興味の湧いた方は「チルチンびと」(風土社)という雑誌をご参考に。
と、宣伝めいてすいません。
その日の取材は、まず工務店さんの建てたお宅から。
築4年を経てほんのりと無垢材が色づいた住まいを拝見し、家族の皆さんのお話を伺うのがキッタンの仕事であります。
合掌造り風の立派な3階建てで、柱や梁は無垢材をダイナミックに使用。
その一方、欄間の細工から建具の桟の1本1本までが実に緻密に作られていて、日本人というのはなんと器用であろうと、つくづく感心いたします。
こんな立派な家に住んでいるのに、ご家族が皆さん気さくで、奥さん、お母さん、お嫁さんが撮影の合間に一緒になって台所に立ち、手際よく調理してくださったのが写真の茶請け。
遠慮なくゴチになりました。
素材の味が生きていて、お世辞抜きで美味しかったです。
次に向かったのは、やはりT工務店さんが手がけたお宅。
余談ながら、そこまでの道のりに山あり林あり、さらにはこんな棚田もありまして、工務店の社長さんが「ここは私のお気に入りの景色なんですよ」と、途中で車を停めて見せてくれたのでした。
山間を切り開いて、こんな風に利用する。
でも、まわりの木を根こそぎ抜いてしまったりはしない。
便利さもほどほどでいいではないか。
そんな先人の知恵を感じさせる、素朴ですが美しい景色です。
そうして、目指すお宅に到着しますと、仲間が集まっていました。
実はこのお宅は念願の田舎暮らしを実現したご夫婦の住まいでして、田舎暮らしをしたい人たちの応援をしようとご主人は「田舎暮らし隊」の隊長をしています。その隊員が集まってくださったというわけ。
T工務店の社長さんもこの隊員で、単に家を建てるだけでなく、田舎暮らしを応援しているのだそうな。
で、このお宅。
山道のどん詰まりで人里離れていますが、そのかわり文字通りの自然に囲まれ、眺めは抜群です。
自然を友とする暮らしを夫婦ともに楽しんでらっしゃるのが、話の端々から伝わってきます。
で、また、食べ物の話で恐縮ながら、そこで出していただいたのが、写真の草餅。
奥さんの手作りで、ほうばの葉で包んでいるのだそうです。
東京ではこういう草餅にはお目にかかったことがなく。
地方には地方の、さまざまな工夫があるものですね。
○鳳夢窯の助っ人、オサム君
と、どうも話が横にそれてしまっていけません。
そろそろ、肝心の人に登場してもらわねば。
T工務店の登り窯。4段の本格的なものです。
あるとき、お施主さんに何をしたいかとアンケートを取ったところ、もっとも多かったのが陶芸だったそうな。
たまたま地元に使わずに放置されていた窯があったことから、それを買い取って自分たちで補修し、「鳳夢窯」(ホーム窯)という窯を開いて陶芸サークルを立ち上げました。
このサークルはお施主さんだけでなく誰でも参加可能で、取材に伺った日も、「新聞の告知を見て参加して1年以上。家は建ててないの」という人も来ていました。
で、このサークルのお手伝いをしているのが、稲吉オサム君なのです。
ヘアスタイルこそパンク気味ながら(あとで足元を見たら、靴も斬新だった)、ベージュの地味な作業服上下姿でサークルの人たちとおしゃべりしている姿は、アーティストよりは地元のお兄ちゃんといった雰囲気(失礼)。
工務店さんからは陶芸家と紹介されたので、「作家さんなんですね。どんなものを作っているんですか」と尋ねると「いやいや、とんでもない」と謙遜しまくりで、冗談ばっかり言っていたのが印象に残りました。
ところが実際には、しっかりと作品を創り貯めていたのですねえ。
しかも「黒の器」とは。
お知らせでいただいたはがきの写真によれば、本当に黒い器で、その形はわざとなのでしょうが、不整形をしています。
彼のどんな思いが込められているのか。
あの、絶え間ない照れ笑いの向こうに、どんな情熱があるのか。
気になりますねえ。
ついでながら、この日の帰りは、「鳳夢窯」のすぐそばに飯田線という、1時間に1本程度しか走っていないローカル線の駅があり、鉄道ファンのカメラマンさんと編集者さんとともに、この線に揺られて豊川へ出ました。
下の写真は駅ビルか何かで食べた、味噌田楽定食。
って、食べ物の話ばかりじゃないかって?
むむむ(返す言葉がなくて困っているキッタン)。
蛇足ながら、この工務店さんの取材記事は「チルチンびと別冊26号」に載ってマース。
【仕事のオマケの最新記事】


もう半年近く経つのに憶えていてくれて
戸田さんを介してのご縁で本当にありがたいです。
昔のお嬢さんにも伝えておきます
ベージュの地味な作業着で
東京で個展が出来るように少しずつ頑張ります。