新聞記事によれば、PASMOの売れ行きがあまりによすぎて足りなくなり、販売制限をするそうな。
情けないかなキッタンも、その風潮の助長に貢献してしまいました。
このニュースの出るン日前、ついにPASOMOを購入したのです。
便利かもしれなくとも、人間の金銭感覚、あるいは支払いに対する自覚を鈍磨させる類のものを、キッタンはあまり好みませんで、これまでは地下鉄であろうとJRであろうと、私鉄であろうと、頑なに”カード”を拒否し続け、そのつど律儀に販売機から切符を購入しておりました。
(実はビンボー人ゆえ、うっかり使い込むのが恐ろしかったりして。ただし、海外では別です。とくに仕事の場合は)
では、何ゆえ宗旨を変えたのか。
時は3月に遡ります。
仕事で複数人数と一緒何首都圏のあちこちを訪れる、というようなことが何度かありました。
使用した交通機関は、それこそJRあり、東京メトロあり、都営地下鉄あり、東武線あり、などなど、行き先によってまちまち。
これらのどの駅でも、御一緒した皆さんたちは、パスネット等を魔法のごとく手際よく使い、スイスイと改札口を通って行きました。
ところが、キッタンはいちいち切符を購入しなければならず。
それゆえに、改札口の向こうに皆さんをしばしお待たせするという、このウルトラ・スピード時代にあるまじきご迷惑をおかけしてしまったのですね。
これは、いかん。
頑固この上ないキッタンもさすがに、ときには時代の流れに従わねばならいことを痛感いたしました。
それで、PASMOの購入を決意した次第です。
●野暮ですねえ、日本のPASMO
そして、いよいよ、ン日前。
仕事で赤坂方面に行く用事がありまして。
出かける数時間前には、「今日はPASMOを買うぞ」とかたく決意し、そんなことを考えた我が身をやや自嘲しつつも面白がっていたものですが、ネット相手にとろとろと調べ物などしていたせいで、あわや約束の時間に遅刻か、という危機に。
仕方なく往路は東京メトロの駅で、いつものように、切符を購入いたしました(慣れたことの方が動作ははやい)。
さて、仕事を終えて再び地下鉄の駅に降りる階段で、
「そうだ、今度こそPASMOを買おう」
幸いにも、PASMOの販売機はすぐ見つかりました。
まずは3000円分を購入することにして、紙幣を挿入してビックリ。
3000円といいながら、500円もデポジットを取られると、機械が申している、いえ、無言のまま画面に堂々と表示しているではありませんか。
数年前までガイドブックの仕事で何度か出かけたシンガポールでも、トランジットリンク・フェアカードというカードを使っておりましたが、デポジットはたしか2シンガポールドル(1S$は当時70円程度か)だったはず。
そりゃあ、あちらの物価は3割ぐらい安い。
でも、その点を考慮してもなお、東京のPASMOのデポジットはちと高いのでは?
最近では東京メトロが「東京ナントカ.com」とかいうキャッチでCMを頻繁に打っていて、東京の見どころ、食べどころなどを紹介してくれているけれど、そこにお金をかけるんだったらデポジット料金減らしてよね。
(おっといけない。また、ビンボー人の愚痴が出た)
それはともかく。
カードの購入に際しては無記名と記名との選択があり、無記名ではそっけないので記名することにいたしました。
で、ちょいと遊び心を起こし、姓を入力するスペースに「キッタン」と入れ、名前のスペースを空欄にしてボタンを押しますと、エラーが出てしまいました。
氏名必須、片方だけと受けつけてくれないのです。
なんと野暮な発券機でしょうか。
落し物があった場合、持ち主を確定するデータにする、というようなもっともらしい理由もあるのでしょうが、それでも、もう少し選択肢があってもよさそうなもの。
偽名で入れようかと一瞬は考えたのですが、とっさによい名前が浮かばず、仕方なくフルネームを入れ直しました。
次に入力が求められたのは生年月日だったか、電話番号だったか。
ほんのン日前のことなのに、もう記憶にないのだから情けなや。
要求された情報を入力し終え、決定(という言葉ではなかったと思うが)のボタンを押す。
と、データ確認の画面が出てまいりました。
それを見て、またもやビックリ。
こちとら、生年月日を入れただけなのに、年令までがしっかり表示されていたのです。
しかも、ゲゲゲなことには、年令が1歳上がっている!
●機械は正直だった
そうだった。うっかりしてた。
じつはその日はキッタンの誕生日だったのです。
朝、カレンダーを見て「おお、今日は我がバースデイなり」と気づいていたものの(もっとも、数日前からおトキさんが「今年はお幾つになるのかな?」なんておちょくるもので、誕生日自体は意識せずとも脳裏にあった)、その後、用事をしているうちにケロッと忘れておりました。
キッタンぐらいのトシになりますと、誕生日には慣れっこになってまして、もはや感慨も感動も覚えません(何せ、毎年1回は経験するわけですから)。
販売機の画面に生年月日を入力する際も、単純に自己情報を入れるぐらいの意識しかなく、その日に1歳、トシを取ったことを全く自覚していなかったのですね。
ですから、表示が出たときには、寝込みを襲われたような驚きがありました。
もちろん、まごうかたなき事実であり、かつ真実。
なれど、本人も未だ知らぬ事実を、”初対面”のこの機械が知っていたことに、面食らってしまったのです。
なんで、本人のアタシより先にあんたが知ってるのよー、みたいな。
しかし、そのPASMOを初めて使って改札口を通り、ホームで電車を待つ間、キッタンは、ああ、そういうことなのか、と思いました。
ここ数年は、は日々、自分のありとあらゆる部分で衰えを感じずにはいられない出来事に遭遇し、老いとはかくなるものかと痛感しているにもかかわらず、キッタンはトシ(誕生日ではなく)なんか忘れているフリをして、自分自身を誤魔化していやしなかったか。
あの画面の文字は、そんないい加減なキッタンへの、天からのオシオキ、あるいはダメ出しだったのではないか、と。
先日、お昼のワイドショー系の番組で、五木寛之が、50歳から74歳は人生でもっとも充実した時期、「林住期」であると語っていらっしゃいました。
それまでの人生をしっかり生きておれば、50歳以降がもっとも充実して感じられるのだそうです。
キッタンも「林住期」(臨終期ではない)まで、年令にしてあと少しですが、果たして近い将来が「林住期」になりえるかどうか。
PASMOの一件ははからずも、そんなことを考えさせた出来事となりました。
余談ながら、「寝込みを襲われて」ぼーっとしていたせいでしょうか、それとも日ごろの習慣が出たのでしょうか、改札口を通るのに、うっかりPASMOを切符を入れる口に差し込んでしまいまして。
後ろの人に「違う違う、そっちじゃないですよ」と言われ、ハッと気づいて「どうもすいません」
ああ、オバサンになったもんだなあ。
(これって、ダメ出しのさらなるダメ出し?)
「林住期」、危うし!
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そ〜い〜や〜例の花の名前分った?
と、2階の冷蔵庫に「仁勇」で買ったにごり酒が残っているの覚えてる〜?
コメント、thanksです。
トシを取ると、とっさのときの判断力が鈍るもんですね。
入れる瞬間に「?」と本能が反応したのに、結局、入れてた。やれやれです。
2.おトキさんへ
夜中の写真じゃありませんで。
朝だってのに、マクロレンズを使ったらこんなことになってしまった…。
「仁勇」のにごり酒は来週に。
日曜は大阪取材じゃけん。